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Commentary

台湾「総統選・立法院選」民意はどこにあるのか
台湾はどうあるべきか、台湾アイデンティティとは何か

川島真
東京大学大学院総合文化研究科教授
国際関係
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台湾総統選候補者のテレビ討論会会場で記念撮影する(左から)民主進歩党の頼清徳氏、国民党の侯友宜氏、台湾民衆党の柯文哲氏=2023年12月30日、台北(中央通信社=共同)
台湾総統選候補者のテレビ討論会会場で記念撮影する(左から)民主進歩党の頼清徳氏、国民党の侯友宜氏、台湾民衆党の柯文哲氏=2023年12月30日、台北(中央通信社=共同)

選挙の結果はまだわからない。だが、どのような結果が出るにせよ、この選挙を見るうえでのいくつかの重要な要素を国立政治大学選挙研究中心(https://esc.nccu.edu.tw/PageFront)の統計を用いながら考察しておきたい。

第1に、「台湾民衆の台湾人/中国人のアイデンティティ(1992-2023)」を見ておこう。緑(台湾人)、青(中国人[中華人民共和国人ではない:筆者注])、ピンク(その両方)、黒(回答なし)となっている。

台湾民衆の台湾人/中国人のアイデンティティ(1992-2023)

これを見ればわかるように、1996年の第1回総統選挙の後から「台湾人」だとする回答が増加し、もはや自分を中国人だとする人は3パーセント以下になっているということである。

台湾民衆の4割以上が支持政党なし

第2に、政党支持率を見てみよう。緑(民進党)、青(国民党)、薄い緑(民衆党)となっているが、ピンク色は「中立」を示す。

台湾民衆の政党支持率(1992-2023)

これを見れば、長期的には民進党の支持率が上昇し、国民党の支持率はしだいに低下してきていることがわかる。だが、民進党の支持率が2018年に低下しているように、必ずしも一貫して上昇しているわけではない。また、民衆党は(若者中心に)目下15パーセント弱の支持率を得ており、それが総統選挙においても柯文哲候補の支持率にも表れている。

ただ、重要なことは、4割以上が固定された支持政党を有していないということである。台湾の選挙では、この無党派層をいかに取り込むかが勝負になる。この点で3割前後の固定支持層を持つ民進党が優位に立っているということでもある。

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