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Commentary

著者に聞く④――小栗宏太さん
『香港残響』(東京外国語大学出版会、2024年8月刊)

小栗宏太
文化人類学者
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狭い価値観にとらわれずに、幅広い事象から香港なり何なり自分の研究対象を見ていってほしい、と著者は力強く語る。写真は嘉頓山から見下ろす香港の街並み。2025年3月6日著者撮影。
狭い価値観にとらわれずに、幅広い事象から香港なり何なり自分の研究対象を見ていってほしい、と著者は力強く語る。写真は嘉頓山から見下ろす香港の街並み。2025年3月6日著者撮影。

問8 最後に、この記事をご覧の方に、特に現代香港に興味を持っている学生さん(大学生、大学院生)にメッセージをお願いします。

写真7 嘉頓山から見下ろす香港の街並み。2025年3月6日撮影。
写真7 嘉頓山から見下ろす香港の街並み。2025年3月6日撮影。

(小栗)この記事をご覧になってくださっている方全体には、ぜひ香港の文化に興味を持ってくださいと言いたいですね。今がいちばんおもしろいので!音楽でも映画でも何でもいいので、ぜひチェックしてみてほしいです。日本語で手に入る情報がまだまだ少ないのが難点ですが、私もこれから頑張ります。

学生さんについては、香港に関する一見「どうでもよさそう」なことに関心を抱く人が増えてくれるとうれしいですね。研究テーマを選ぶ時って、そのテーマが学術的に重要かどうかとかそういう真面目な基準で考えがちですが、私たちの目の前の世界は、目まぐるしく変わっていくわけです。だから将来的にどんなテーマが重要になるかなんて、どんな偉い先生にも正確にはわからないはずです。私自身も歌やミルクティーを通じて香港情勢を論じることになるなんて、思ってもみませんでした。だから狭い価値観にとらわれずに、幅広い事象から香港なり何なり自分の研究対象を見ていってほしいと思います。

香港残響
『香港残響』の表紙(東京外国語大学出版会提供)

小栗さん、ありがとうございました。この記事をご覧になって、現代香港文化の現在位置に興味を持たれた方は、ぜひ『香港残響』を手に取ってみてください。

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