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Commentary

台湾の原発再稼働をめぐる攻防
与党・民進党の政策大転換とエネルギー問題の未来

早田健文
『台湾通信』代表
政治
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発再稼働の問題は、台湾で繰り返される政治的な対立の中で、いまだに解決の方向性が見えていない。写真は「公民投票」で再稼働の是非が問われた台湾南部・屏東県の台湾電力第3原発。2025年8月3日。(共同通信社)
発再稼働の問題は、台湾で繰り返される政治的な対立の中で、いまだに解決の方向性が見えていない。写真は「公民投票」で再稼働の是非が問われた台湾南部・屏東県の台湾電力第3原発。2025年8月3日。(共同通信社)

安全保障のリスクとどう向き合うか

現在の台湾では原発ゼロと二酸化炭素ゼロは矛盾する。原発は二酸化炭素ゼロに貢献できる。しかし、原発には賛成だが、40年を超えた古い原発の再稼働は安全面で不安があり、再稼働には賛成できない、という声も聞く。立場によって異なる判断基準と情報が飛び交い、非常に矛盾した心理が錯綜する中で、台湾で原発をどうするのか、電力をどう確保していくのか。それに加えて、民進党政権の下で中国との関係が悪化する中で、「台湾有事」というものが本当にあるとすれば、原発を再稼働することは台湾の安全保障のリスクを高めることになる。それは日本の安全保障にも関係してくる。さらに、地震にどう対応するのか。台湾で繰り返される政治的な対立の中で、いまだに解決の方向性は見えていない。

台湾にとってのリスクは、「台湾有事」から連想されるような単純な軍事問題だけではない。たとえば、電力供給問題が迷走し、もし旧式の第2原発の再稼働も必要になれば、世代も経年数も新しい第4原発を運転していたよりもリスクが高くなる結果になりかねない。第4原発の建設停止のみが議論の中心になってきたため、代替エネルギーへの転換についての議論はおろそかになり、効果的な政策を進めてこなかったツケが、今回って来ている。

最後に、日本あるいは日本企業にとっても、台湾の原発政策の今後の動向は、はたしてビジネスチャンス(原発、再エネ、省エネ輸出など)なのか、あるいは安全保障におけるリスクとなるのか、多くの角度から見極めていく必要があるだろうことを指摘しておきたい。

台湾の原子力発電所

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