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著者からの応答

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読者より

M.Iさん

20代

どの記事も興味深かったですが、特に 「夜間光データ」に関する記事が印象に残っています。
ただ1つ疑問なのが、記事中にあった写真のように、光でデータをとっても、その後データは数字や文字にしないと使えないのではないかと思うのですが、夜間光データをどのように数字化、あるいは文字化するのかが気になりました。

夜の空に映し出される経済活動の内実

経済
章超

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科博士後期課程

夜間光データは、統計データが不完全な国や地域でも、実際の経済成長の水準を測定する指標になる。写真は超高層ビルから見た上海市内の夜景。2009年4月18日撮影(共同通信)

著者より

この度はお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。章超です。経済にご関心をお持ちいただき、特に「夜間光データ」に興味を持っていただけたこと、そして拙稿が分かりやすかったと感じていただけたことは、書き手として大変光栄に存じます。

ご質問の「夜間光データの数字化」についてですが、確かにおっしゃる通り、最終的には光の強度やパターンを数値化して統計的に扱う必要があります。夜間光データは、主に衛星画像を使用して収集されておりますが、その後、専門のソフトウェアであるArcGISやQGISを使って地理空間情報データを数値化します。たとえば、光の強度を数値に変換して、地域ごとの経済活動や人口動態の分析に活用します。このプロセスには、空間統計学、リモートセンシング(遠隔探査)技術の専門知識や、データ処理を行うためのGISソフトウェア(地理情報システム)が必要となります。

また、空間統計学や地理情報システムについて理解を深めたい方には、次の書籍をおすすめいたします。

  • 『GIS: 地理情報システム (やさしく知りたい先端科学シリーズ8)』(矢野桂司 著): 地理情報システムについて詳しく解説されており、その重要性を実感できる一冊です。
  • 『オープンデータとQGISでゼロからはじめる地図づくり (KS情報科学専門書)』(青木 和人 著):QGISの基礎を学べる書籍で、リモートセンシングの背景を理解するのに役立ちます。
  • 『空間統計学:自然科学から人文・社会科学まで (統計ライブラリー)』(瀬谷創・堤盛人著):空間統計学に興味を持った方には、こちらが非常に参考になります。

今後も、経済に関する様々な視点から有益な情報を提供できればと思いますので、ぜひ他の記事もご覧いただければ幸いです。また、ほかにも何かお気づきの点がございましたら、ご意見を頂戴できれば幸いです。よろしくお願いいたします。

章超 (しょう ちょう)
Chao Zhang

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科博士後期課程

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